『伝わる・揺さぶる!文章を書く』ための方法

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『伝わる・揺さぶる!文章を書く』ための方法 

上手な文章の書き方について学ぶために以下の本を買いました。

山田ズーニー 『伝わる・揺さぶる!文章を書く』

先日購入した『文章力の基本』が「読み手に違和感を抱かせない正しい文法の使い方」についての指南書だったのに対し、この本には「相手に伝わる、人を惹き付ける文章を書くためにはどうしたらいいか」という、言わば”文章を書く上での心得”が記されています。

いくら英文法を学んだところでアメリカ人と円滑なコミュニケーションが図れるとは限らないのと同様、どれだけ正しい文章が書けるようになっても「上手く伝える」という部分が欠落していたら実践では何の役にも立ちません。

だからこそ、「具体的にどうすりゃ良い文章書けるのよ?」という疑問にぶち当たっている人は是非この本を読むべきです。ダテに「4年連続Amazon.co.jpベストセラー入り(と、帯に書いてある)」はしていません。

良い文章を書くために必要なこと

この本を一通り読んで自分なりに感じた「文章を書く上で最も大切なこと」は、ズバリこの一点でした。

  • 相手の立場になって物を考える。

人間関係を築く上での基礎ともいえる単純な思考法ですが、だからこそ文章を書く上でも大切。

本の中では「きちんと機能する(=良い)文章」を書くために抑えるべき点として

  1. 意見(言いたいことはなにか)
  2. 望む結果(だれがどうなることを目指すのか)
  3. 論点(問題意識はどこに向かっているか)
  4. 読み手(読み手はどんな人か)
  5. 自分の立場(相手から見て自分はどんな立場にいるか)
  6. 論拠(相手が共感・納得する根拠はあるか)
  7. 根本思想(あなたの根本にある想いは何か)

上記7つの要件が上げられていますが、いずれも相手の立場になって考えれば当然抑えてしかるべきポイントだと判ります。

何が言いたいのかわからない取り留めのない文章を書いてしまう人は、ただ自分の好きなことを好きなように書き散らかすだけで「誰に」「何を」「どうして」伝えたいのかが明確でないのだと思います。少なくとも自分は、そう(だから勉強したいのです)。

仮想読者を想定する

少し話は逸れますが、かつて藤子不二雄A先生が『まんが道』の中で自身を投影した主人公にこんなことを言わせていました。

「僕はいつも一人の仮想読者を想定するんです!小学四年生、背の小さい内気な性格の少年です!僕はいつも、彼に話しながら描いているんです。(中略)そして、その彼が僕の漫画を読んでいる姿を想像するんです。僕の想像の中で彼の手応えがあった時…ああ!漫画を描いてよかったな…と、思うんです!」

さすが、A先生はいいこといいます。この「仮想読者を想定する」というのは何も漫画に限った話ではなく、ライティングを含め自己を表現する分野全てで有効な方法だと思います。誰に読ませたいでもなく漠然と書いた文章というのはぼんやりとして取り留めのない「駄文」になりがちです。

逆にどんな人に読んでもらいたいかがはっきりしていれば、おのずと書くべきことや伝えたいことが明確になり、実際の読み手からの共感や納得も得られやすくなるでしょう。

つまり、仮想読者を通して「読み手の立場になる」という事が重要なのです。

読んでもらえなきゃ意味がない

わかりやすくて読みやすい文章を書くことは大切ですが、そのためにはまず「読んでもらえる」という大前提が条件となります。そしてそれがある意味最大の難関。

身も蓋もない言い方をしてしまうと名の知れた文筆家やタレントでもない一般人が書いた文章なんて大半の人にとってはどうでもいい”道端の石コロ”に過ぎないわけで、そんな”石コロ”を拾ってもらうためには人目を惹くための「何か」がどうしても必要です。

「何か」とは何か、どうすればみんなに読んでもらえる文章が書けるか……それがわかったら本なんか読まないよ、こっちが教えて欲しいぐらいだよって感じなのですが(笑)、抽象的表現をするならやはり「個性」だと思います。

むしろはみだせ!

個性、すなわち「自分らしさ」の重要性を示す例として、本の中に以下のような例えがありました。

Q.あなたが好きな人にプレゼントをあげるとしたら次のどの方法を採りますか

  1. 自分のあげたいものをあげる
  2. 相手に「何が欲しい?」と聞いたり、趣味を下調べをして欲しがっているものをあげる
  3. 相手のこれまでの趣味にない、新しい引き出しを開けるようなものをあげる

1番は「あげる側」が類い稀なるセンスを持ち合わせていたり、「もらう側」が「あなたからのプレゼントなら何でも嬉しいわ」と考えていれば別ですが、大抵はただの自分勝手。文章を書くということに置き換えると「好きなことを好き放題書く」というのがこれに当てはまります。タレントのブログが内容如何に関わらず人気を博すのはまさに「あなたからのプレゼントなら何でも嬉しい」と思う人が多いからでしょう。

2番は上でも書いたように、相手の気持ちに立って物を考えるということ。欲しがっているものをあげる、つまり読み手の読みたいものを提供する、そう考えれば最も理想的な選択といえます……が、ここにはひとつの落とし穴があります。それは「相手が欲しがっているものは仮に自分があげなくても手に入れたかもしれない」ということ。

型にはまった当たり障りのない内容では人の心を真に掴むことはできません。極端な話、それだったら「わざわざ改めて自分が書く必要もない」わけで、読み手としても「わざわざこの人の文章を読む必要もない」わけです。

だからこそ3番、相手の新しい引き出しを開けるような「自分らしい」文章を紡ぐ事こそが人の心を「揺さぶる!」ために大切ではないでしょうか。それによって時には批判されることもあるでしょうが、誰からも批判されない文章なんて誰の心も打たないことの裏返し。何事もリスクを恐れていては前に進むことなんて出来ません。

相手の立場になる+個性=最強

最初に出した結論に戻りますが、とどのつまり「良い文章を書く」ためには「相手の立場に立つ」、これに尽きると思います。その上で個性や独自の着眼点を用意し、人を惹き付けられれば理想的な文章の完成です。

「でも具体的にどうすれば良いかわからない」という人は今回紹介した本を読めば「取っかかり」が掴めるはず。メールの書き方から就職活動で役立つ自薦文まで、文章を書く上での「思考法」が様々な具体例を交えながら詳しくわかりやすく解説されています。

堅苦しさは全くなく、スラスラ3時間程度で読めてしまうので文章読むのが苦手な方でもおすすめです。……もっとも、文章書く上で「文章を好きになる」ってのは大事だと思いますけど(笑)。

ちなみに自分は全く存じ上げなかったのですが、著者の山田ズーニーという方は糸井重里氏のサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』でも「おとなの小論文教室。」というコラムを連載している、文章教育の分野では名の知れた女性だそうです。


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